今年は間に合った・・・!
その年のアニメの総括「話数単位で選ぶ、TVアニメ10選」。ルールは以下の通り。
また個人的なレギュレーションとして、昨年同様『配信のみ・2023年以降にTV放送予定の配信作品』『モーションアクターを使ったバラエティ』『実写テレビドラマとアニメを組み合わせた作品』からは選出せず。
集計は昨年に引き続き「aninado」さん。
以下、リストアップ。順不同、敬称略で表記。
■『明日ちゃんのセーラー服』第三話「部活はもう決めた?」
脚本/山崎莉乃 絵コンテ/中村章子 演出/原田孝宏 総作画監督/河野恵美、川上大志 作画監督/八重樫洋平、長澤翔子 作画監督補佐/小泉初絵、末田晃


明日小路という大きな質量に触れると、学友たちは自分も知らなかった一面が露わになっていく。「部活選び」というイベントを究極的なフェチズム描写を交えながら描くエピソード。
作品全体に言えることかもしれないが、この回は特に箱庭を覗き見ている感覚があってドキドキする・・・。
■『トロピカル〜ジュ!プリキュア』第46話「トロピカれ!わたしたちの今!」


まさかのアバンから変身BANK回収、からの1話丸々使ったエピローグ、Cパートでの次世代への引き継ぎ。『トロピカル~ジュ!プリキュア』の世界観を大切にしてくれたことがまず嬉しかった。
最終回にして全開の土田豊節は笑いあり逆立ちあり、別れのシーンはとびっきりエモーショナルに。そしてCパートのクソオチ、最高!
■『平家物語』第五話「橋合戦」
脚本/吉田玲子 絵コンテ・演出/モコちゃん 総作画監督/小島崇史 作画監督/小島崇史、堀江由美、秋竹斉一、モコちゃん、平野翔 作監補佐/太田琴美


コミカルさと生々しさを併せ持つフィルムからは、ハッとさせられるようなレイアウトや瞳を使ったイメージカットが何度もとび出てきて驚かされる。『平家物語』は作り手の表情がありありと見えるエピソードが幾つかあるがその中でも特に鮮烈な印象だった。モコちゃん、一体何者なんだ・・・。
平氏と源氏の初めての衝突となる橋合戦を維盛の目に・視聴者の目に焼き付けるように、画面の密度と音楽のバランスをコントロールしながら描いた戦場の描写は圧巻の一言。
■『その着せ替え人形は恋をする』#8「逆光、オススメです」
脚本/冨田頼子 絵コンテ・演出/川上雄介 総作画監督/中村真由美 作画監督/小林恵祐


『明日ちゃんのセーラー服』のMoaang回や『プリンセスコネクト! Re:Dive Season 2』の坂詰嵩仁回など、Q1クールは才気溢れる若手の力強いフィルムが連なる中特に印象的だったこのエピソードを。
精緻を極めたような今作だが、このエピソードは更に繊細でフォトジェニックでキャラクターの実在性が溢れている。それはキャラクターの作画だったり、美術だったり、キャラクターの心の動きであったり。そうした要素が見事に合致するエピソードは今年はいくつか見られたがその中でも随一の挿話。
■『ダンス・ダンス・ダンスール』第5幕「死ね、ねーだろっ」
脚本/森江美咲 絵コンテ・演出/大谷肇 絵コンテ協力/サトウシンジ 総作画監督/長谷川ひとみ、石川佳代子、黒岩裕美、小美野雅彦 バレエ作画監督/桑原剛、小笠原篤
作画監督/杉野信子、迫江沙羅、川元まりこ、後藤有宏、日向正樹、鈴木春香 作画監督補佐/早乙女啓、齊田博之、星野真澄、小松真梨子


お行儀の良さや理性を吹っ飛ばすパッションを持つフィルムは中々お目にかかれない。初恋の情熱が荒ぶり何度でも生き返る潤平とそれを上回るドス黒い感情を持った流鶯の型破りは白鳥の湖は、作中の観劇者と一緒に視聴者をも圧倒する舞台だった。
■『BIRDIE WING-Golf Girls' Story-』#08「ファイナル・バレット」
脚本/黒田洋介 絵コンテ/稲垣隆行 演出/霜鳥孝介 総作画監督/山﨑正和 作画監督/尾崎正幸、米山浩平、上野泰寛 アクション作監/菊池晃 プロップ作監/平岡雅樹 レイアウト監修/益田賢治


「表の世界に行こうとしているお前に勝てば、俺は今までの人生を後悔できる。」
片腕をもがれ未練に燻ぶるローズと、両翼を広げ表の世界に飛び立つイヴ。賭けゴルフでの苛烈な戦いの末のそれぞれの運命。ふたりにとっての最後の弾丸、ファイナル・バレット・・・。
■『シュート!Goal to the Futere』#2「負け犬集団」
脚本/広田光毅 絵コンテ・演出/中村憲由 総作画監督/永井泰平 作画監督/山本径子


2022FIFAワールドカップで日本中が熱狂に包まれる4ヶ月前、本物の熱戦は掛川城のお膝元で行われていた。
強烈なイメージ、ハーモニーカット、そして小久保の涙と狂気の11人抜き。視聴者の心を鷲掴みにするか、振り落とすかには十分すぎる衝撃のエピソード。
■『ワッチャプリマジ!』第50話「キミがあたしにかけた魔法」
脚本/坪田文 絵コンテ/佐藤順一 ストーリーボード/Choi Hun Cheol、Na Ki Chual 演出/伊藤浩 アニメーション演出/Na Ki Chual 作画監修/戸田さやか、斉藤里枝、川島尚、満田一、青木康哲、島田さとし


『プリマジ』の最終回前の総決算、そしてまつりとみゃむの別れ。終盤の海辺のシーンのサプライズと感情のダイナミズム。令和の佐藤順一の真髄ここにあり。
・・・トロプリに続いて最終盤の別れのエピソードを選んでしまった。なんだか恥ずかしい。
■『Do it Yourself!!』すてっぷ⑥「DIYって、どうでも・いいもの・やくにたつ!」
脚本/筆安一幸 絵コンテ・演出/安藤尚也 作画監督/松尾祐輔


Good Job!な水着回!
安藤尚也ファンとしては絶対に入れたかったエピソード。ささやかなフェチズム、ワイプのアイデアやレイアウトセンス、そして氏の特徴である光の使い方。
Q4クールに辣腕を振るいまくっていた筆安一幸による、ぷりんの微細に形を変えていく心の動きの絶妙なバランス感覚がもどかしくも心地いい。
■『ヤマノススメ Next Summit』#12「行こう! 新しい頂きへ」
脚本・絵コンテ/山本裕介 演出/重原克也 作画監督/牧茶、髙橋瑞紀、松尾祐輔 総作画監督/松尾祐輔


『ヤマノススメ』はずっと山登りを人生のアナロジーとして語ってきた。あおいは登山での出会いや喜び、悔しい経験を通して己の山登りの意義を少しずつ見出していく。彼女たちにとっては1年と少しの期間を、4シーズンを使って、他に類を見ない熱量で丁寧に描いてくれたことに最大級の感謝を・・・。
以上。
また次点として
■『時光代理人 -LINK CLICK-』 第2話「秘密のレシピ」
■『その着せ替え人形は恋をする』第11話「俺は今、ラブホテルにいます」(山本ゆうすけのギャグ演出への気勢その1)
■『ぼっち・ざ・ろっく!』#3「馳せサンズ」(山本ゆうすけのギャグ演出への気勢その2)
■『ラブライブ! 虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 第2期』第5話「開幕!ドリームランド↑↑(*'▽')」(戸澤俊太郎のレンズ感とモチーフ)
■『であいもん』第六話「芋名月」
■『エスタブライフ』第8話「運命からは逃げられない」(2022年ベスト日高里菜賞の一角)
■『ラブライブ!スーパースター!!2期』#04「科学室のふたり」
■『ヤマノススメ Next Summit』#07 A「初日の出、どこで見る?」#07 B「クラスメイトと山登り!」
■『ポプテピピック TVアニメーション作品第二シリーズ』#7「ライジング・ヘル 〜ヘルシェイクの矢〜」(再放送構成でのキャスト入れ替えの妙)
■『モブサイコ100 III』#08「通信中② ~未知との遭遇~」
■『アイドリッシュセブン Third BEAT!』第23話「歌い続ける覚悟」
他にも『ヒーラー・ガール』『ちみも』『邪神ちゃんドロップキックX』『Extreme Hearts』『不徳のギルド』なんかはどのエピソードも素晴らしかったし『農民関連のスキルばっか上げてたら何故か強くなった。』の回を増すごとにボルテージを増していくギャグには毎度興奮させられた。それと『処刑少女の生きる道』第8話「魔薬」や『転生賢者の異世界ライフ』第7話「暗殺者に狙われていた」のしつこいくらいの天丼ギャグも・・・と挙げだすとキリがない。2022年も充実のアニメライフだった。
来年も頑張ってアニメ観るよ~